映画を観てきました

子どもの頃に買ってもらった時から大好きだった、ハリスおばさんシリーズの第一作、「ハリスおばさん、パリへ行く」の実写映画、「ミセス・ハリス、パリへ行く」を観て来ました。続編を作るとしたら見たいけど、作らないかな…。

すごく良い映画だったのですが、シネコンではなく、単館映画での上映で、仙台に嫁いでから、単館映画館に行くのは実は初めてでした。

単館映画自体に行くのもものすごく久しぶりでした。

送迎してくれた夫には感謝しているけれど、「自分の小遣いで払えよ!家計を使うなよ!」としつこく言ってきて、映画館に着いて、すぐに電話がかかってきて、ちゃんと自腹で払ったのかを確認されたので、イラッとしました…。

 

原作はちょっと悲しい終わり方だけど、映画は痛快で素晴らしいハッピーエンドでした!

ディオールの全面協力のもと、美しいドレスがたくさん出てきて、とても素敵でした!

パンフレットも可愛らしく作られていて、素敵でした。

もう海外では公開が終わったみたいだけど、アメリカでデザイナーの仕事をしている妹にぜひ観せたいと思いました。(1950年代のデザインなので、仕事の役には立たないでしょうが)

 

学生時代、両親が私や妹を海外旅行へ行かせてくれて、イギリスやフランスを訪問していたことを、両親に改めて感謝しました。

ハリスおばさんの旅路が、ああ、私も行った所だと、身近に感じられたんです。

 

ハリスおばさんは家政婦(原作では掃除婦)として、せっせと働いても誰にも感謝されません。

でも、とても頑張り屋で優しくて正直な人です。

だから、ロンドンの彼女の友達も、パリで出会った人たち、クリスチャン・ディオールで働く人たちも、ハリスおばさんをすぐに大好きになって、ディオールのドレスが欲しいという彼女の夢を手伝ってあげたいと、協力します。

 

私も誰にも感謝されずに主婦をしているけど、ハリスおばさんみたいに頑張って働いて、夢を見て、生き生きと生きたいと思いました。

 

夫を亡くし、これから老年期を生きようとする女性が、夢を見て、しかも、実際にその手でつかみ、生きる喜びを改めて見出し、彼女の周囲の人たちも幸せにするという、素晴らしい映画だと思いました。

 

ちょっとだけ、不満があるとしたら、私が聞き取れた範囲では、ハリスおばさんがロンドンの下町なまりで話さなかったことかな。

小説の翻訳の「エイダ・ハリス」を「アダ・アリス」と発音し、「誘惑」という名前のドレスを「ゆうやく!」と呼ぶ、ハリスおばさんがキュートに感じられたのに、映画に登場したハリスおばさんは、品の良さと美しさが自然と現れ出る女性でした。

もちろん、サルトルを知らなくて、サルトルを読んでいると話したモデルの女性に「私も推理小説が好きよ」と言ってしまう、お茶目なところはありましたが、

あと、ハリスおばさんの親友で家政婦のバイおばさん(原作の名前を忘れました。バイって名前だったっけ?)が黒人で未婚(古い言い方だとオールドミス?)な設定なのも、原作では確かハリスおばさんと同じで、戦争での未亡人設定なのに、コンプライアンスなのかな?と思いました。

ひとつ、驚いたのが、ハリスおばさんの夫が戦死した知らせを、ハリスおばさんの代わりにバイおばさんが読み上げて、「SORRY」と告げたのを、字幕で「可哀想に」と訳していたこと。ハリスおばさんがせっかくお金をせっせと貯めて買って帰って来た500万円の価値のあるドレスを、一度も袖を通す暇もないうちに、バカな顧客の女の子に貸してやったばかりに、焼け焦げにされてしまった時も、バイおばさんは「SORRY」と言っていました。「SORRY」って「ごめんなさい」の意味だと習ってきたけど、「可哀想に」「気の毒に」という意味があると、英和辞典を調べて、今頃、知りました。

 

すごく素敵な映画にまた出逢えました。もっと単館映画系の映画もいろいろ観たいなと、映画が始まる前のいろんな映画の予告編を観ながら思いました。