一人語り その1

二次元キャラへの愛を延々と語っております。
かなり痛い内容なので、ご注意ください。
念のために折りたたんでおきます。 2013年4月30日で、鎧伝サムライトルーパー放送開始から、ちょうど25周年を迎えた。

とある方から、25年間、伸くんをどのように思い続けて来たのかを知りたいと言っていただいたので、ちょっと語ってみようと思う。

私の好きな人は二次元キャラだ。鎧伝サムライトルーパーの水滸のシンこと、毛利伸くん。
初めて好きになってから、25年が過ぎた。今の私には、夫がいて、息子と娘がいても、それは変わりない。
夫も二次元で好きなキャラがいるので、私が二次元キャラを好きでいることを黙認しているようだ。夫の好きなキャラは時々、変わるけど、私の本命キャラはずっと伸くんだ。

私がサムライトルーパーの本放送を本格的に見始めたのは結構、遅かった。もう終盤近く、秀、征士、伸の三人は妖邪界に囚われていて、遼と当麻の独断場だった。

その頃は漠然と「あ、結構、面白いな〜。もっと早くから見ておけば良かったな〜」「当麻カッコイイな〜」とか思っていた。

そして、囚われていた三人と妖邪界で合流して、五人になるサムライトルーパー
その時、どちらかというと後方支援が多く、出番の少ない伸くんが発した一言。
「鳴門の海はこんなにひねくれてないよぉ!!」

ズキュンッ! と心臓が射抜かれた。なんて甘くて澄んだ声なんだろうと思った。私がずっと夢見ていた王子様の声そのものだと、その時、思った。
言うなれば一声惚れだ。
ちなみに伸役の佐々木望さんは当時、まだほぼ無名の新人だった。彼のデビュー作「ドテラマン」も見ていたが、その時は佐々木さんの声は意識していなかった。

もともと青系の色は好きだったから、水色の鎧は気に入ったし、心優しい水の戦士という設定も好みだった。また、鎧を脱いだ時の、少女めいた優しい顔立ちに心惹かれたのも言うまでもない。

その後は夏休みの再放送を妹と二人で必死で見た。夏休みだと言うのに、毎朝6時台に早起きして、テレビの前に張り付いている娘達を、両親は呆れたように見ていた。

トルーパーを知った時期は私が中学生の頃。入学式当日の私の不用意な言動により、奇人扱いされて、いじめられていた時期だった。運悪く、中高一貫制の学校だったため、いじめは6年間続くこととなる。

その時、私がトルーパーにはまった事を知った、友人Mさんが、大学ノートに書いた、サムライトルーパーとMさんが出会い、恋人同士になる、今で言うドリーム小説のようなものを見せてくれた。
Mさんは美人で心優しいお嬢さんであり、征士に夢中だった。なにしろ、征士のためにセーターを手編みで編むような女性だ。彼女のような女性なら、征士だって好きになるだろうと、その時、私は思った。

そして、私もサムライトルーパーの二次創作を書き始めた。コンセプトはただ一つ。サムライトルーパー五人全員に恋人を作る! だった。

「カプ厨」という言葉を最近知ったが、私は公式にキャラに恋人が出来ると、恋心が失せ、応援したくなるタイプだ。
聖闘士星矢の星矢には美穂ちゃんという幼馴染がいたし、天空戦記シュラトのシュラトにはラクシュがいた。

サムライトルーパーには、公式に恋人扱いされる女性キャラが登場しなかったのも、私がトルーパーにはまった一因だと思う。その男ばっかり世界が、腐女子を大量に育て、「トルーパー(ファンはやおいが)は10割」と呼ばれる原因でもあるのだけれど。

まずは、Mさんさんに敬意を表し、Mさんをメインヒロインとして登場させて、征士と恋人同士にした。
皮肉な事に、私はその話で、自分になぞらえたサブヒロインを、伸くんと恋人同士にしなかった。単純に小説として、Mさんと征士が素直にラブラブになったので、もう一人のヒロインもそのままラブラブになっても、物語的としてつまらないなと思ったのがひとつ。

でも、もうひとつの理由としては、いじめを受けるような醜い自分は、理想の王子様である伸くんにふさわしい人間だと思えなかったことが原因だ。伸くんが自分を好きになってくれる要素なんて、当時の自分のどこにも私には見つけられなかった。

伸くんには、私の部活の先輩であり、Mさんのお姉さんである女性になぞらえた、やはり美人で心優しい大人びたキャラクターを恋人にした。
そして、私になぞらえたキャラクターは、大らかで人懐っこい秀と恋人同士になった。

秀ファンに言い訳させてもらうと、決して秀を当て馬扱いしたわけでも、ダメな自分にふさわしいダメキャラと思ったわけでもない。サムライトルーパーの五人全員、私は魅力的な人物達だと思っている。それは昔も今も変わらない。

ただ、なんとなく、五人の中で唯一、三枚目キャラを演じてムードメーカーとして雰囲気を和らげる能力を持った秀ならば、自分になぞらえた少女をそのまま受け止めて、一途に大切にしてくれそうな気がした。

その二次創作は大長編となり、現代編だけでなく、前世編(時代劇)、来世編(SF)、更に外伝(各キャラのストーリー)と、三つの時代まで続き、ほぼ高校卒業まで書き続けた。

その話の中で、私になぞらえたキャラは、生まれ変わるたびに、伸と出会い、恋に落ち、振られ、秀の恋人になった。
伸が一番好きなことは変わりなかったのに、自分の創作物の中ですら、伸と恋人になる自分を想像できなかった。

自分が書けるサムライトルーパーの全てを書ききった後、私は「どうして自分は伸と恋人になれないんだろう」と思った。

そこで書き始めたのが、オリジナルの学園物。「伸っぽいキャラ」と「自分っぽいキャラ」が恋人同士になる話だった。
それを書き終えた時、私は大学生になっていた。

<長くなったので続きます。>